美容室オーナーが伝える!美容室のクレーム対応とは?

美容室オーナーが伝える!美容室のクレーム対応とは?

 

日頃からサロンワークをしていると、1度は経験をしたり、店舗内で起きてしまった事はあるかと思います。

クレームを出そうとして対応しているスタッフはもちろんいませんが、何かきっかけを与えてしまっている事も事実だと思います。

今までの経験を元に、「クレーム=悪い」を改めて考えさせていただき、お伝えできればと思います。

 

 

クレームと言っても大きなカテゴリーの1つでしかありません。
どちらに非があるのかも状況によって変わります。

細かく分ける言い方をすればトラブルと言った方がいいのかもしれません。

1.技術によるトラブル

「長さをイメージより切りすぎてしまった」「髪の量を軽くしすぎてしまった」「怪我」
などが多く挙げられます。

2.薬剤施術のトラブル

「髪の毛のごわつきチリつきが出てしまう」「パーマのかかりすぎ」「色が違う・色ムラがある」「癖が伸びていない」などが多く挙げられます。

3.接客態度のトラブル

「言葉遣い」「返答の仕方」「言い回し」などが多く挙げられます。

4.店内雰囲気のトラブル

「汚い」「モノの配置」「髪の毛の処理」などが多く挙げられます。
 
5.お客様側のトラブル(クレーマーの疑い)

「金銭を求める」「お詫びを求める」「貴重品管理」などがあります。

細かく考えていきましょう!!

1.
髪の長さや毛量のトラブルは、今も昔も多くあります。
目に見てわかるトラブルであり、クレームとして扱われる1つです。

言い逃れができませんし、美容師側に非がある事になります。

しかし、回避はできます。カウンセリングの時点で、スタイルの仕上がりイメージを顔
や体のパーツでお客様にお伝えする事で回避しやすくなります。
例:(サイドの長さは鎖骨ぐらいで、前髪は眉と目の間で切りますね)

毛量に関しても事前に触れていただいて気になる所を調節する事と、スタイルに合わせてスタイリストが提案した所を軽くしてあげるようにしましょう。

一番は、量を取りすぎないように保険をかけて量を取る事によって失敗が少なく修正が可能になります。
怪我をさせてしまったらすみやかに対処して、病院などの紹介や医療費の負担など誠心誠意対応しましょう。

2.
髪のごわつきチリつきに関しても言い逃れができませんし、美容師側に非がある事になります。
重要なのは、毛髪診断をしっかりするということです。

髪の状態を把握して薬剤を選ぶ事、そして無理な施術は避ける事です。
薬剤のダメージは髪に蓄積していきますし、今後の施術にも影響がでてしまいます。

しっかりとカウンセリングで説明して、「どうしても・・」の場合は施術同意書などを用意して記入していただきましょう。

「パーマのかかりすぎ」「色が違う・色ムラがある」「癖が伸びていない」などに関してはクレームとして考えなくて大丈夫です。

お直し(修正)が可能ですし、丁寧で親身に対応することでトラブルになりにくくなるはずです。

3.
言葉遣いは敬語が鉄則ですし、上目線な発言に注意しましょう。
(お子様などは距離感を感じる為に平常語(タメ口)でも良いと思います)

返答や言い回しに関しても同じです!お客様に興味がないような言い方をしてしまうと不愉快に受け取ってしまう方もいらっしゃると思います。

4.
店内は綺麗に保ちましょう。スタッフは毎日居る場所で当たり前になってしまっていますが、お客様は綺麗になる為に美容室に足を運んでいます。お店が汚いと不快に感じます。

またセット面の髪の処理にも気をつけてください。他人の髪が落ちてる席には誰だって通してもらいたくはありません。

5.
あまりお客様を疑いたくはありませんが、クレームを言う事で見返りを求める考えの方もいらっしゃると思います。

特に、クレーマーの疑いがある方は、直接お店に来ず電話対応で済ませようとする方や本人以外の方が対応してくる事が多いと思います。(直接髪の状態を見られる事を避けるため)

また貴重品に関しても基本的にサロン側が触れる事がないと思いますが、「預けた=壊れた」という解釈をする方もいらっしゃるのが現状です。

 

クレームと注意の違い

 

『クレーム』は悪いイメージです!しかし『注意』は前向きな良いイメージです。
皆さんは受け取る側の問題で捉え方変わると思っているかと思いますがそのような事はございません。

『クレーム』というのは、何も考えずに受け身になるしかないからです。基本的に起きた出来事や起きたモノに修復する事が不可能、または修復させてもられないという状況だからです。

しかし、『注意』は今後やこのままだと修復できない状況になりうる状況を未然に防ぐ言葉になります。
『クレーム=苦情(悪い)◉ クレーム=文句✖️』※文句は何も考えない感情だけの言葉です。 
『注意=気配り・目配り』

冷静に考えて、もし注意されている側だとして、今後の改善がみられないような事を言われていたらそれは『クレーム』になるのかもしれません。

また、クレームのような事を言われているが改善ができるような事であれば『注意』になるのかもしれません。

お客様などに言われた事に対して「注意なんだ」という捉え方が冷静にできない場合は怒りという感情が先にあるのかもしれません。

人に言われた事に対してはまずは冷静になりましょう。

 

クレームの対応例

 

直接的なクレームと言うのは意外と起こらずに後日帰ってから電話などで問い合わせがあることが多いです。
今回は、電話などでの対応を例としていくつか言い方をお伝え致します。

例1:
お客「仕上がりが違うんだけど」
→「大変申し訳ございません。詳しくお話を聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?」
お客「◯◯が◯◯で◯◯だから」
→「大変申し訳ございません。お直しをさせていただきたいのですが、お客様のご都合のよろしいお日にちお時間を教えて頂いてもよろしいですか?」

例2:
お客「髪が思ったより短いんだけど直して」
→「大変申し訳ございません。技術面で至らない部分がございましたことお詫び申し上げます」
→「短くしてしまった髪を元に戻すことはできかねますので大変恐縮ではございますが、返金での対応になりますがよろしいでしょうか?」

※切りすぎてしまった髪の毛は戻せません。ですので、お店ができる最大限の対応としては返金になります。(その他、気持ちでの商品を渡したりする事は可能)
クレームを言ってきたお客様からの商品やサービスなどの要求はこたえる必要がございせん。しつこい場合は弁護士や警察に相談する事がいいと思います。
警察に関してはクレームの内容というよりは、お客様からの暴言、恐喝や脅しや業務妨害には対応していただけると思います。

皆さんの思いはわかります。その場を収めたいし、どのような事でも受け入れたい気持ちは分かります!しかし、クレームはマイナスな事です!毎回クレームのたびに同じことをしていたら精神がもちません。年に1度のクレームだろうが数年に1回だろうが精神的に病んでしまう事なので物理的に無理なものはあきらめるしかありません。

例3:
お客(親)「娘が今日そちらのお店に行ったのですが、◯◯で◯◯なんだけどどうしてくれるの?」
→「大変申し訳ございません。お直しをさせていただきたいのですが、お客様のご都合のよろしいお日にちお時間を教えて頂いてもよろしいですか?」
また「大変恐縮ですが、娘様ご本人とお話をさせて頂きたく事は可能でしょうか?」

※お子様のクレームで親御さんからご連絡がある場合は、基本的に再びお子様ご本人と会う事が難しい事が多いです。
親御さんから電話の場合、どのような返答をしても結果は返金になることを頭に入れておきましょう。
「学校に行きたくない・行かせられない」「ウィッグを買うから代金払ってほしい」など親御さんの意見だけしか聞く事ができないので、改めてお子様ご本人との意思の疎通がとることが困難です。
したがってどのような対応をしても結果が見えています。

例4:
お客「知人に変だよと言われて、他の美容室に直しに行ったので、お金返してほしい」
→「申し訳ございません。既に他店で施術されたお客様のご対応は致しかねます」

※当たり前ですが、証拠がない状態でスタイルを直すと言うことは不可能です。
また、お客様本人の考えで言うクレームとは異なります。
知人や周りの人から言われて嫌な気持ちになりクレームを言うお客様もいらっしゃいます。しっかりとご本人が納得していただけるように説明しましょう。

クレームからのリピート
 

クレームからのリピート

 

人はクレームが出てしまうと、お客様に「2度と来ないでほしい」「もう次は来ないだろう」などとリピートへの気持ちがだいぶ薄れてしまいます。

しかし、クレームとは対応しだいではチャンスになります。
もう一度来て欲しいという気持ちで接しましょう。

まずお客様が嫌な思いをしたのであれば素直に謝罪することが大事です。
そして、お客様の「気分を害した」ことに対して詫びるようにします。

最初から施術内容に対して非を認めると、その後の話し合いが不利になる恐れがあります。
さらに電話だけではなく、必ず会って誠心誠意をみせましょう。

会う事によりこちらの表情や感情をダイレクトに伝えられます。

またクレームを言いにきているお客様に対して、謝罪しながらも希望の仕上がりをもう一度確認しましょう。そして自分の出来ていなかった事を言葉にしてお客様と自分との共通認識にしましょう。そうする事で「このスタッフは自分のミスをしっかり受け止めてると感じてもらえるはずです。

そして、お客様に不快な思いをさせてしまったが、自分意外のスタッフも居る事を説明して、お店にもう1度足を運んでもらうようにしましょう。

いちスタッフは合わなかったとしても、お店が合わなかった訳ではないのでリピートを促すことは悪いことではありません。
そして、もし来店いただいたらもう一度謝罪できる場所ができますし、いつかまた自分につながるかもしれません。

 

美容室オーナーが伝える!美容室のクレーム対応とは?

 

今回、クレームの説明を細かくさせていただきましたが、まだまだ細かいクレームは存在すると思います。
人それぞれ気にするポイントは違いますし、悪い所を指摘すれば良い所など隠れてしまいます。

あくまで自分が悪いという思いや考えの中で、イライラせずに冷静に対象することを心がけましょう。
感情的になると損します!

今までもこれからも美容室ではクレームは起きてしまう事だと思いますので、少しでも今回の記事が参考になっていただければと思います。

  • 木村雅史(Masashi Kimura)
    木村雅史(Masashi Kimura)

    株式会社mkyou57 代表取締役CEO 千葉県柏市にて美容室を経営。 離職率低下や顧客のリピーター化の独自メソッドを開発。 店舗内の思いのベクトルを統一することが、成功の鍵!

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